IT業界インタビュー② 田口淳一さん
田口 淳一(たぐち じゅんいち)さん
株式会社創夢 創業者(元代表取締役)現顧問
株式会社晴天(はれぞら)ファウンダーCEO
スイッチエデュケーション、スイッチサイエンス顧問
有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング顧問
大学3年生でUNIX(OS)の会社を創設
大学3年生でUNIXの会社を創設した時の話
Q.何故ITに興味を持ったのですか?
A.コンピューターが世界を征服するという漫画が好きだった。人類が征服されてもいいからそういうものを作りたかった。
Q.大学生で会社を立ち上げて不安はなかったのですか?
A.楽観主義だった。「10年後の生活は?」「収入は?」等を考え始めると不要な不安が増え続ける20歳で何も経験していないのに考えてもしょうがない。何が一番楽しかったか、嬉しかったかを考えてた。自分が持っていた夢は捨てなくていい。それに繋がる仕事ができるかもしれないただし、それに固執する必要も無い。
※UNIX…マルチタスク、マルチユーザを実現したオペレーティングシステム(OS)の1種。
起業について
Q.学校で学ばなくても起業はできる?
A.「何か」をやってたからできるものではなくて、「何か」をやってればできる。何もしてなかったらできない。体験の延長線上に仕事が乗ってくるものだと思う。
つまらない仕事をする必要はなくて、面白いことや打ち込めることをすれば良い。そのベースは自分の経験にあるから、誰でも起業はできる。
自分を小さく見過ぎないことが大事「人と話せない」「英語ができない」等、やれないことを見るのではなく、やってきたことを見ることが重要。
会社の話
Q.田口さんの会社ではどんなことをしているのか教えてください。
A.自分のやりったいこと、最先端のことをやり続けた。
新人研修でどうして会社を立ち上げたかを聞かれた時は世界を征服するコンピューターを作りたいが、自分では作れそうではないので自分の会社が最先端のことをして、自分が死んだ後に自分の会社が作れると思い、常に最先端を行く会社を作った。(創夢)と答えた。
研究者が使うコンピュータの仕事をしていたので新しいものを作るお手伝いができたのも幸運だった。コンピュータ開発の上場企業の研究所の仕事をダイレクトにもらえている(産総研)
具体的には理論を研究者が作り、それをソフトにして動かす実証実験の仕事。
Q.具体的にどんなソフトを作ったか例を教えてください。
A.自分で考えて動くロボットを動かすためのものを開発するためのソフトを作った。
仮想空間の中で、AさんとBさんの作ったソフトのチームで作戦から行動まで全て人工知能に考えさせてロボット同士にサッカーの試合をさせた。
IT企業について
Q.IT企業にはどんな人材が必要ですか?
A.OSを作るようなゴリゴリの技術者が本当は欲しいが、アプリを開発するような人に比べて、地味で給料も安い。儲けられないし、その人たちの給料を上げる訳にもいかないので、そういうものが本当は欲しいが、本当に好きな人がなるべき。
DXも重要。国がデジタルにあった習慣、社会に変えようという動きになっているので、どうしたらデジタル化できるかを考えるのもITの仕事
※DX…デジタルトランスフォーメーションの略。DXを直訳すると「デジタルによる変容」デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言う。
例:店頭販売のみの八百屋がアマゾンなどのネットを活用していろいろな人に商品を売れるようにする。
Q.IT分野のやりがいと大変なことを教えてください。
A.自分の思い描いたことが思った通りに動くことがとても楽しくてやりがいを感じる。
ITは機械を相手にするのは楽しいが、結局人がやっているので、上司やクライアントと話をするのがすごく面倒くさい。分かってない人と話すのがすごく嫌だった。
あとは無理な納期、自分の能力と違う仕事がくることがある。営業が無理な受注を取ってきてエンジニアに押し付けるなど大変なことも多くある。就職しても3年以内に辞める人が半分以上。なので、自分で自分のハンドルを握るのが大切。
IT業界の将来について
Q.IT企業の今後の可能性、未来はどうなると思いますか?
A.人の相談相手、悩み相談ができるようなAIができると良いなと思う。
また、昔からそうだが、IT業界は他の企業に常に隣接しているため、仕事がなくならず、不況になる事が無い。
昔は「かな→漢字変換」ですら人工知能と呼んでいた。その当時に何かわからないものを人工知能と呼んでいる事が多い。それが当たり前になると人工知能ではなく、そういう技術として社会に浸透していく。
仮想空間で五感を感じれるようにして、感じたものを買って家に届くようになる。例えば、仮想空間のトマトを食べて、その中で購入し、実際に家に届くようになる。
そんな未来が来るかもしれませんね。
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